■
頭の芯に、すこしだけ疼きを抱えて巡らせる。
そういえば今夜は土曜日の夜。
いつもは夜八時を過ぎたら静まり返るこの街も
今日はにわかに活気付いていて
容赦なく肌を突き刺す寒さと対照的に映る。
人たちの笑い声と、白い息は、
澄んだ空気と混ざり合って、夜の闇に消えてった。
巡り巡ってたどり着いた、交差点。
行き来する言葉と媒介する声が、滲みこんで彩る。
忘れてた感覚、と、間隔が
ドライフラワーを水で戻すみたいに。
からだが覚えてる
要と応。
遠い昔のことにして、
桜の季節にまた、思い出そうか。
あ、よしなりさん、おめでとうございます。
カウンター越し、ふたりの笑顔が
今も瞼の奥に、じわりとにじむ。
ピース。
いつもは嫌いな横文字も、
今宵限りのお目見え。