湖岸にて

山入端が夕日に染まって
その茜色を琵琶湖の水面に溶かし込んでゆくと、

水田に立ちこめる群青の靄は刻一刻と濃度を増して、
辺り一面を夜の闇に覆いつくそうとする。


背面の空には夜を待ちきれない半月。


追いかけられながら琵琶湖大橋を渡ると
夕暮れに佇む観覧車。
止まったままのその大輪は、
流れる時間をも止めてしまったかのようで
思わず息を飲む。

そこには純粋な「時」の概念が横たわってた。



山の近いところが好きなんです。
長野と似てるから。