2009-01-14 キセツハズレ 夏の終わりを告げるヒグラシの音を聞きながら 夕焼けに染まる景色に溺れたい。 何も失いたくないと、 両手を広げたその瞬間から みるみる零れ落ちていく。 記憶も言葉も、声も色も全部。 幾重にも重ねた歯車が それぞれの周期を刻んでる。 気がつけばまたこの季節で、 まどろみの中で鳴る目覚まし時計みたいに 遠く、しかし鈍く疼く。