雨の海

夜。路面をはじく、波打つような強い雨


雨が好きなのは、
宿る場所があるから。



身体の中の不定形が、刻一刻粘度を増して
洗濯機を回すみたいにかき乱してくる。


反動みたいに穏やかなメロディーが
ずっと頭のなかを巡ってる。
誰かを包み込めるような優しいうたが描きたいのに
口をついて出てくるのは相反するような言葉ばかり。


ちょっとすぐそこのコンビニまで買い物に出かけよう。
傘をちゃんと差しても、濡れてしまいそうな雨だけれど。