なつひとつ、ひととなる

ここからはじめてまた会おう 
刻んでゆく消えないように
響かないままの言葉を 
何度もめぐらせてみたりしていた


通りすぎたのは 急ぎすぎたから 
身体を預けて昨日と同じ場所
無くしてなかった 泣くしかなかった
昨日までの僕、全部包み込んでく


物足りない毎日ですら 物差しでは測れなくて
飲みかけたビールグラスに結露するその瞬間
僕が呼吸するこの街を 結んで彩る瞳達
今年も夏が通り過ぎるその横断歩道で


信号待ちする間に季節が巡って
ひとりでに泳ぎだしたら また深呼吸ひとつ


通り過ぎたのは少しだけわざとさ
体を預けて今日も同じ場所
隠してしまって みつからなかった
大切な生きる理由ひとつ思い出せそうで


眩いばかりの晴天に 世界が全て照らされて
その姿映しだすのに僕だけ色あせてゆくみたいだ
満たされる度波だって 零さないように抗って
今年も夏が通り過ぎるその横断歩道で


信号待ちする間に季節が終わって
少しだけ時が進んで 深呼吸またひとつ