ゆきでげしょう

雪が降る日というのは、空気の匂いが違う。
朝起きて、思わず窓を開けてしまいたくなる気持ちになるのも解る気がする。
手袋をバスの中に忘れてしまって、素手で外を歩くと、あっという間に手が悴んでくる。
ポケットに手を突っ込んで、寒さをしのぎながら歩くのだ。


楽器屋にあった電子ピアノが目に留まったので、ちょっと試奏してみる。
こうみえても、僕は小さな頃から割と大きくなるまでピアノをやっていた(やらされていた)のだ。
もうすっかりなまってしまったけれど、思い出しながらなんとか音を辿ってみる。
割と最近の砂場曲「昼間の月」をピアノでやってみたら、
意外にハマって、ちょっとのつもりがしばし耽ってしまった。
砂場の曲はピアノで作ったみたい、というふうに言われたことがある。
そのときは、そういうとらえ方もあるのかなと思ったくらいだったのだけど、
いざピアノアレンジしてみてはまりそうな曲というのは
実はけっこうある。「影炎」とか、「バス旅」とか、おおっとあの曲もそうかも。
この25年間、僕の音楽性を培ってきたのは、なにもバンドを始めてからのことじゃなくて
はるか幼少のころから積み重ねてきたものなのかもしれないですね。
そう考えると、幼き日々より音楽一家を養成しようとしていた
クラシック好きの両親に感謝しなくてはなりません。
兄はピアノ、弟はバイオリン。父がフルートで母はなんだったかな。
そんなクインテットを作ろうとしていたらしい。あな恐ろしや。
しかしそんな両親の野望は、
2年ほどで突発的にバイオリンを拒否したライオットボーイ弟によって潰えました。
ちなみに優柔不断な兄は、何となく10年ほど続けるも受験を苦に辞めました。
そして高校時代、兄弟ともにせっかくたしなんだ音楽の素養は、
不幸にも親の希望とは正反対の属性を有するロックという分野で開花する。
2005年現在。
兄は砂場のうたとギター、弟はろんづでギター一本やり。地道に活動を展開しています。
口惜しいというよりかは、苦笑いしてしまいそうな宮崎家の歴史でした。


明日は、月曜日ですね。