タワー

交した言葉の終りは
都会の隙間に逃げ込んでいった


おかしくなっていく記憶を
組み立てようとして つまづいて

上の空で泳いで
息継ぎ忘れてないかい
曇り空引き裂いて
覘いたその向こうへ


遠回りしていた 気持になって
振り返るその向こうで
光を増した タワー


いつか見たような景色に
もう馴染めない僕が居た


東西南北の風
この手で受け止めたい


指差した世界は
ロウソクになって
溶けだした 夢みたいに
赤く燃えるようなタワー