海月の空

薄笑いを浮かべたら 空はまたゆがんでみせた
薄明かりを頼って おぼろげな記憶を辿る


夜明けの町を切り取って
君に見せてあげたいな


窓枠に惑わされ 世界をその手に収めて
繰り返す毎日に 身体を預けそうになる


空気の抜けた風船は
電線にぶら下がって
揺れていた 何か伝えようと


触れないで 水面に写す
瞳の奥を かき乱さぬように
海月のように漂って
視界を覆い隠してしまう前に